ビジネスの現場では「内部監査」と「内部統制」という2つの言葉があります。
普段の業務ではあまり触れないかもしれません。
しかし、会社経営においては基本的な用語でもあります。キャリアアップを目指しているなら赤っ恥をかかないよう、しっかりその違いを把握しておきましょう。
内部統制とは、経営目標を達成するために、業務に組み込まれて全社員によって行われるプロセスのこと。平易な言葉で言えば、「みんなで守るルールや仕組み」のことです。それを決めるのは経営者であり、何らかの不備があった場合は経営者の責任となります。
この内部統制は、次のように4つの目的と6つの要素で成り立っています。
会社がより効率良く、多くの利益を得るためにということです。これにより行われることが、情報のデータベース化やコスト削減などのさまざまな施策です。
投資家や株主、銀行などにたいして開示する財務情報に不正や虚偽があると信用が落ちてしまいます。そこで、内部統制によって「正確なものである」ということを証明します。
会社が利益を上げるのは、法律を守っていることが大前提となります。このために定められるものがコンプライアンスです。
会社には、現金だけでなく株や特許、人材などさまざまな種類の資産があります。これらを管理し、有効活用することも内部統制の目的です。
簡単に言えば「社風」のことです。内部統制を機能させるためには、まずは「みんなでルールや仕組みを守って、一眼になって目標を達成しよう」という意識を共有する必要があります。
事業においてリスクはつきもの。経営者のリスクマネージメントによって、常にコントロールすることが求められます。
これは「ルールや仕組みを守って、業務を進める」ということ。そのために行われているものが、職務の分掌や多重チェックなどです。
業務目標を遂行するためには、情報を正しく管理・伝達する必要があります。
内部統制が機能しているかをチェックします。そして、この1つとして挙げられるものが「内部監査」です。
現代において、経営目標を達成させるためにITは必要不可欠になっています。
上述したとおり、内部監査とは内部統制を構成する6つの要素のうちの1つ、「モニタリング」の一部になります。
内部監査の目的は、健全な企業運営を続けるということです。そして、内部統制とはまた違った立場で、客観的に評価する必要があります。自主監査だけでは、情報の粉飾や課題の見逃しなどが起こり、正確なモニタリングができないためです。
まとめると、内部統制は全社員が守っているルールや仕組みのこと。そして内部監査は、内部統制がしっかり機能しているかどうかをチェックすることです。
会社経営の場では当たり前に使われている言葉ですから、「平社員で終わりたくない」という方はぜひとも覚えておきましょう。