コンサルとアドバイザリーは、どちらも企業にたいして何かしらの助言をする職業です。
多くの方はこのような漠然とした理解しかしていないでしょう。
実際に、言葉の定義からすれば明確な違いはありません。しかし、業務内容やスキル、効果などを見るとある程度の傾向が見られます。
コンサルは組織が抱えている特定の問題にたいしてソリューションを提供します。契約した期間内は、内部で行動を共にすることもたびたびあるでしょう。アドバイザリーにくらべて短期的に密な関係になることが多い点がコンサルの特徴です。
一方で、アドバイザリーは会社やチームなどの組織そのものにたいしてアドバイスします。顧問や外部参与といった形式を取ることが多く、内部で大きな活動や行動を取ることはあまりありません。社員との関係は薄めではありますが、期間は長めです。
これらのことから、アドバイスの範囲はアドバイザーのほうが広いものの、行動という視点で言えばコンサルのほうが濃くなります。狭く深くか、広く浅くかの違いと言えば分かりやすいでしょう。
コンサルをする方のほとんどは経営上の専門知識を持っています。特に業務をより効率的なものにするために、IT技術に精通しているケースが多いようです。ソリューションに合わせて、特定のシステムを販売していることも。
一方で、アドバイザリーはかならずしもそうとはかぎらず、もっと戦略的なものだと言われています。学問的な観点からの知見が欲しければ前者を、経験によるものなら後者をという選び方になります。
どちらも経営を改善するためにある仕事ですが、その軸となるものが違います。コンサルは自社のソリューション持っており、それを売り出すことを目的としています。
自社製品を持っていることもその1つです。そのため、それを認められるようプレゼンに重きを置くことが多くなります。一方で、アドバイザリーは相手に合わせたアドバイスをします。
会社がある特定の問題を抱えているなら、それをダイレクトに解決してくれるものがコンサルです。ただし、契約の範囲外には干渉しないことほとんどのため、短期・限定的な効果しかありません。
一方で、アドバイザリーは会社そのものにたいしてアプローチします。特定の課題にたいして直接的な対策を講じることはあまりありませんが、長期的に人材や技術を整備される効果があります。
コンサルとアドバイザリーの違いは、あくまでも傾向の話です。前者でも経営全体にたいして助言をしてくることもありますし、後者でも特定の問題に注力してくれることもあります。これらは会社や人材次第でもあります。
会社にたいして適切なアドバイスをするコンサルとアドバイザリー。一見同じように思えますが、実はゴールやそれにたいするアプローチが大きく変わります。
仕事とするにしても、契約を結ぶにしても、双方の特徴を見極めて適したほうをチョイスする必要があります。