同じ問題を考えるのでも、解決までの思考が早い人と遅い人がいます。
スピード感が重要視される現代のビジネスというフィールドでは、やはり頭の回転が早いに越したことはありません。
頭の回転が早い人を目の当たりにすると、多くの方が「あの人は頭が良いから」などと諦めてしまいがちです。
しかし、それでは一生その人に勝てる日は来ないでしょう。思考は訓練でいくらでも早くできます。
概要
実現できない仮定ですが、まったくのゼロ状態から未知の事柄について考えるとします。この時、結論まで辿り着く時間は健康な方であればほとんど差がありません。
「頭の回転速度」と聞くと脳の仕組みや神経の太さなどを想像しそうですが、そのような物理的な要素において有意差はあまりないというわけです。つまり、思考の早さは才能ではありません。
それでは、どうして思考のスピードが人によって大きく違うのでしょうか? その理由は、「このタイプの問題は、このような手順で考えるべし」という思考のテンプレートができあがっているからです。
「小学生の時、二桁の足し算を求める時に筆算を使ったら計算が早く確実になった」ということが良い例です。
回転速度が早い人は単に、未知の物事にたいして「こう考えれば効率が良かったんだ」とフィードバックしてテンプレートを作るという工程を積み重ねていたに過ぎません。それも、何百、何千という膨大な数をです。
思考は豊富な知識があればさらに早く、確実になります。一方で、不確かな知識があれば行き着いた結論が的外れになってしまうこともあります。そのため、できるビジネスパーソンは知識を厳密に、正しく把握することを徹底しています。
たとえば、「知識」「知恵」という2つの言葉の関係を正しく把握している方は多くありません。ほとんどの方が、それぞれ独立した状態で、曖昧なまま記憶しているからです。
頭の回転が良い人は、「知識は単に知っていることで、知恵はそこからさらに応用できること」という知識間の結び付けを行っています。
頭の回転速度が早い人は、考える力を鍛えており、また知識が十分に整理されています。これを真似すれば思考が早くなるかもしれませんが、具体的な方法ではありませんね。
そこで、ある研究結果があります。ペンシルベニア州立大学のピン・リー教授が行った臨床実験によると、新しい言語を学習すると、年齢に関係なく思考力がアップするそうです。
グローバル化が進み、今後ますます外国語の需要が高まるなか、この情報は朗報です。英語を勉強することで実践的なスキルを身に付けながら、人として根幹の能力もアップさせられるということです。
頭の回転が早い人はよくいますが、それは才能ではありません。多くの方が思っている以上に、日頃から努力していたに過ぎません。そのような人々に追い付くためにも、語学の学習を始めてみましょう。