安心安全に働くためには、社会保険が必須です。
しかし、少し複雑なこともあって多くの方が内部を理解していません。
思わぬトラブルを避けるためにも、どのようなものが適用されているのかぐらいは把握しておきましょう。
概要
そもそも社会保険とは、さまざまな保険を総称した用語です。この言葉そのものの制度が存在するわけではありません。65歳以上が受けられる介護保険などもありますが、求人情報で書かれている場合は基本的に以下の4つになります。
失業保険とも呼ばれており、退職時でも安定した生活をし、また就活に臨めるよう給付金を支給するものです。
ただし、倒産など会社都合で失業した場合は6ヶ月以上、自主的に退職した場合は1年以上加入していることが条件になります。つまり、入社してすぐ退職した場合はもらえないということです。
通勤または業務中に負傷や疾病、生涯、死亡状態になった時に給付するものです。支給先は被災した労働者もしくは遺族になります。他とくらべると、一定の割合を控除するのではなく、全額企業負担となる点が特徴です。
会社員の医療費を負担するものです。労災との違いは私生活における病気や怪我、出産、育児など労働に関わらない部分に適用されるという点です。
高齢になった時に、国民年金に上乗せして支給されるものです。その他、万が一障害を負った時、もしくは死亡した時も支給されます。
「社会保険あり」は上記の「いずれかがある」という意味で、全てがあるわけではないということになります。基本的に、どのような会社でも雇用・労災保険は加入を義務付けられているため、ない場合は残り2つのいずれかになります。
特に労働者が5人未満、もしくは飲食業の場合、健康・厚生年金保険は任意加入となります。この条件以外は4つ全てが義務化されています。万が一、労働者が多く飲食業でもないのに一部が欠けている場合は、会社自体が少々危険かもしれません。
「社会保険完備」の場合、原則として上記4つ全てに加入できます。ただし注意したい点は、アルバイトや派遣社員の場合は以下のように適用が限定されるということです。
勤務時間が週20時間未満:労災保険だけが適用されます。
勤務時間が週20時間以上、30時間未満:労災保険と雇用保険だけが適用されます。
勤務時間が週30時間以上で、労働日数が正社員の75%以上:労災保険と雇用保険、健康保険が適用されます。
求人情報に載っている社会保険は一見難しそうではあります。しかし、4つで成り立っているという要点を掴むと意外と簡単なものです。
社会保険は普段はあまり恩恵を受けることがありませんが、いざという時に役立ちます。就活の時はしっかりと内容を把握してから応募しましょう。