学生と社会人は違います。
大学生まではテキストに書かれたことや教授の講義内容を勉強していましたが、社会人になってからは実際の業務を通じてスキルを養っていきます。
このことから、ビジネスパーソンは次第に実践主義にシフトし、年を取るほど「勉強なんて無駄」「良いから仕事しろ」という考えになります。
しかし、それは間違い。どのような場合であっても、最低限の勉強は必要です。
概要
実践のみで学ぼうとすると、どうしても知識が断片的になりがちです。学生が行っている勉強法によって得られるのは体系的な知識。身に付けることで、以下のようなメリットが得られます。
たとえば会計業務をする場合、実践でのみの知識では単に「Excelをいじってる」程度のことしか分かりません。
「やったことを覚える」では、その業務が会社でどのような役割を担っているかを理解できないはずです。「経営状態を明らかにし、投資や取引の判断材料にしている」ということは、テキストに書かれている内容を読んで知ることがほとんど。
このように、体系的な知識を得ることで物事をよりマクロな視点で捉えられるようになります。
実際の業務はかなり複雑です。あまりに無駄な情報が多過ぎるために、合理的に物事を考えるということはなかなかできません。実践主義者は課題をクリアするにもあまりに時間が掛かり過ぎますし、その回答も感情論などのノイズが多数混ざります。
体系的な知識の強みは、物事をフレームワーク化して、システマチックに考えられるということ。「クリアすべき課題は何か」という問いから、解決にあたって最適なツールを決定します。そして、それに必要な情報だけを抽出し、合理的な回答を出力します。
実際のところ、ビジネスパーソンはあくまでも実践に比重を置いて物事を考えるべきです。これは、体系的な知識だけでは以下のようなデメリットがあるため。あくまでも、勉強は実践だけではまかなえない部分を補うためにあると考えると良いでしょう。
上述したとおり、実際の業務は理論上よりもずっと複雑です。単に勉強しただけでは分からないことが多過ぎて、人材としては使いものになりません。
知識を最優先に考えてしまうと、例外に対応できなくなります。実際の業務にはイレギュラーが付きもの。それに対応するためには、フレキシブルな思考が必要不可欠です。
一流のビジネスパーソンになるためにも、ぜひとも実践だけでなく体系的な知識も身に付けましょう。ここで起こる疑問は「どこで勉強すれば良いのか?」ということ。社会人になってから大学に通い直すわけにもいきません。
おすすめは資格の取得です。自分が臨む分野をピンポイントで学べますし、スクールなどに通う中で横のつながりができることも期待できます。MBAなどの修士も人気です。
日々の業務で伸び悩んでいる方は、実践と勉強のバランスを見直しましょう。成長のためにはどちらも必須のもの。「最近勉強していないな」と思ったら資格の取得を目指してみましょう。