営業とマーケティングの違いとは?

営業とマーケティングは違います。よく、前者は売り、後者は集客するものだと区別されがちです。

しかし、厳密には意味が大きく違います。

また、実務に関するそれ以外の部分でも違う点が多々見られます。

定義に基づいて考えると、営業はマーケティングに含まれる

日本マーケティング協会によると、マーケティングとは「公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動」とされています。つまり集客だけでなく、商品開発から始まって営業し、顧客情報を管理するまでなどあらゆる活動が単語に含まれることになります。

このことから、「営業は売り、マーケティングは集客」という考えは間違いです。総合的活動だとすれば、会社経営の中でもかなり上位のポジションにあるものだと言えます。

ただし、これはあくまでも定義に基づいて考えた時の話です。一般的には販売促進や情報伝達などのプロモーション、コミュニケーションを指すことが多いようです。

顧客が目に見えるか、見えないかでも違う

BtoBにせよBtoCにせよ、基本的に営業は目の前にいる顧客にたいして行うものです。一方で、マーケティングは実体をとらえにくい市場にたいして行われます。

これにより活動内容が大きく変わります。前者は相手をリサーチして、それに特化した戦略を組み立てます。一方で、後者はセグメンテーションを行いターゲットを自分で定めた上でプロモーションを行います。

短期の売上を狙うか、長期の売上を狙うか

diagramどちらにおいても顧客と良い関係を築くことが大切ですが、営業は長期的な視点をあまり持ちません。

もちろん、良好な関係を続けて満足度を上げておくことは大切です。しかし、1人の顧客からはかぎられた売上しか稼げないのですから、本当なら次々と新しいところを開拓したいわけです。

そのため、関係構築よりも契約を結んで売上を出すという目的が強く出ます。短期的に成果が出やすいほうだと言って良いでしょう。

一方で、マーケティングはまず顧客との関係を作るところから始めます。市場にいるのは1人や2人ではありませんから、良い関係が維持できれば安定した収入が見込めることになります。営業とくらべて長期的な目線で取り組んでいると言えます。

営業とマーケティングは独立しているわけではない

よく上記2つの要素を切り分けて考えることがありますが、別に各会社で争っているわけではありません。

よりたくさんのニーズを引き出すためにはマーケティングが大切です。しかし、現場にいる営業のほうが顧客ニーズを掴めており、マーケティング主導では代理店の提案した範囲の成果しか出せません。

営業の声をいかに反映できるかがマーケティングの鍵にもなっています。

営業とマーケティングはアプローチする対象や目的などが大きく違います。しかし、けっしてどちらかが偉いというわけではありません。

会社の利益を最大限に出すためには、どちらかに傾倒してはならず、絶妙なバランス感覚で顧客にアプローチする必要があります。

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