「忙しい」「業務が地獄」などと言われることがある公認会計士。資格取得を目指す、もしくは諦める前に、「本当のところはどうなのか?」をしっかり把握しておきたいところです。
結論としては、たしかに激務です。しかし、けっして「ブラック」というわけではありません。
一般的なビジネスパーソンは、年間140日ぐらいの休日を取っていると言われています。実は、激務と噂されることが多い公認会計士も、それとだいたい同じぐらいです。
ただし、通常のように土日祝日やお盆、年末年始など1年を通してバランス良くは取れません。繁忙期と閑散期がはっきりしており、前者は終電で帰れるかどうかも怪しい状態が続き、後者はそもそも会社に行かないレベルにもなります。
公認会計士がブラックだと言われているのは、繁忙期の激務にばかり目が行ってしまうためです。トータルの勤務時間で言えば、通常とほとんど変わりません。
そうは言っても業務が一時に集中するため、相応の集中力と体力、精神力が必要となります。繁忙期を切り抜けるだけのバイタリティさえあれば、高い収入を得ながら閑散期に長期のバカンスに出掛けるなど、快適なライフスタイルを築くこともできるでしょう。
公認会計士にとって、キーポイントは4月に行われる本決算。これは昨年度の業績結果と今年度の業績予想を発表するという大場です。
監査法人に属しているなら、監査が入る4~5月が最大の繁忙期になるでしょう。ただし、独立している場合はこの業務を任されることはあまりありません。パートナー登録をしているなどで仕事をもらっている場合に、多少任される程度です。
独立している公認会計士は税務を中心に行っている方が多数です。そのため、どちらかと言うとそれ以前、年末調整が始まる12月から3月ぐらいがもっとも忙しい時期になるでしょう。
次に忙しくなるタイミングが、秋頃に行われる中間決算。これは本決算と違って、半年の経過だけを発表するものです独立している公認会計士なら、それらに関する代行業務を行う8~9月頃に忙しくなるでしょう。
独立する大きなメリットの1つとして、自分のライフスタイルに合わせて仕事を受けられるというものがあります。
上記にもある繁忙期には受注量を減らし、公認会計士にとっての閑散期であっても、税務やコンサルティングなどで食い扶持を稼ぐということができます。
反対に、稼ぎたい時期はコンサルティングなどのさまざまな業務をこなし、1年中ぎっしり仕事を詰め込むことも可能です。
ただし、特に最初の数年間だけは休みがないと思ったほうが良さそうです。これは、独立したては経営が安定せず、万が一赤字を被った場合に挽回ができないため。上手く仕事をもらえなければ、反対に暇になって困ってしまうこともあるでしょう。
公認会計士の仕事は、4月の本決算が何よりの鍵になります。しかし、独立している場合はライフスタイルに合わせて仕事量を調整できます。
独立したての数年は激務が続くでしょうが、それさえ切り抜ければ快適な生活を送ることもできるでしょう。