内部統制監査とは?必要な資格や内部監査との違いについて

内部統制監査とは?必要な資格や内部監査との違いについて

2008年に内部統制報告制度(J-SOX)がスタートして以来、内部統制監査やそれに関連する資格への注目度や需要が高まりました。

この記事では内部統制監査の概要や関連する資格、さらに内部統制監査と内部監査の相違点などについてご紹介していきます

内部統制監査とは?

内部統制監査とは、金融商品取引法によって上場企業に対して毎年提出が求められている「内部統制報告書」を公認会計士または監査法人がおこなう監査のことです。内部統制報告書は2008年(平成20年)4月1日以後の事業開始年度からスタートした内部統制報告制度に基づくもので、上場企業の財務報告に係る内部統制の強化とディスクロージャーの信頼性向上を目的として始まりました。

この内部統制報告書は、上場企業の経営者が自社の財務報告を適正に作成されるための内部統制が整備されており、それが有効に機能していることに対する評価内容を報告する書類です。

つまり、自社の財務報告書(具体的には損益計算書と貸借対照表などの財務諸表等)を作成するための内部統制が有効に機能していることを書面で株式市場や投資家などの外部に対して証明することであり、その証明が本当に正しいかどうかをその会社と利害関係のない第三者である監査人が様々な監査手続きをおこなった上でお墨付きを与える一連の流れと考えるといいでしょう。

金融商品取引法によるこのような手続きは「J-SOX(日本版SOX法)」とも呼ばれ、元はアメリカの「US-SOX法」に基づいたUS-SOXをお手本に日本国内でも同様の措置を法律によって定めたものになります。監査法人はかつて上場企業に提出が求められている「有価証券報告書」に対する監査のみをおこない、監査報告書を作成してきました。

J-SOXが始まってからは、監査報告書に加え、内部統制報告書に対する内部統制監査報告書の作成も業務として合わせておこなうようになりました。

内部統制監査と内部監査との違い

内部統制監査と内部監査は名称も似ているために違いが理解しづらい点もありますが、法的な意味合いや監査の目的、さらに監査で中心となる対象が異なります。まず、法的な点からは内部統制監査が金融商品取引法に基づいて上場企業に義務付けられた内部統制報告書に対する外部監査であるのに対し、内部監査は個々の企業が自由に監査プログラムの内容を決めて任意で実施されるものとなります。つまり、前者が法的な義務があるのに対して、後者はあくまで実施するかどうかは企業の自由に任されていることになります。

また、監査の目的や対象についてですが、内部統制監査の場合はその対象が財務報告に係る内部統制の有効性の検証などを主としています。これに対して、内部監査は会社の経営目標達成のために公正・独立の立場から、会社のガバナンスやリスク・マネジメントやリスク・コントロール(内部統制)に関する経営諸活動の状況について評価し、客観的な意見表明と助言・勧告をおこないつつ、さらに特定の経営諸活動の支援といったアドバイザリー的な業務も含まれています。

つまり、両者の違いを簡単に言えば、内部統制監査が財務報告に関連する内部統制の有効性などを中心に検証していくのに対し、内部監査はそれに加え、さらに経営全般という広い視点から社内のガバナンス体制や内部統制の状況をチェックし、必要に応じて改善されるようにアドバイスしたり、改善を要求することになります。

内部統制監査に関連する資格

内部統制監査に関連する資格は日本国内のものと海外のものがありますので、順を追ってご紹介していきます。ご紹介する資格を取得すると内部統制や内部統制監査に必要な知識が習得できるだけでなく、関連するポジションに応募する際にも多いにアピール材料となります。

尚、これらの資格は内部統制監査の実務をおこなう上で法的に必須のものではなく、なくても実務に就くことができます。ただし、内部統制監査をおこなう監査法人に応募する段階でこれらの資格については必須のところと取得していれば好ましいとされているところに分かれます。

監査法人に応募する際に取得しているべき資格という点から言えば、むしろ公認会計士やUSCPAの取得を必須としている監査法人が多い傾向にあります。また一部の監査法人では無資格でも関連する内部統制の実務経験があれば応募可能としているところもあります。いずれにしても監査法人において内部統制監査報告書にパートナー(代表社員)としてサインするには、日本の公認会計士に登録していることが必須となります。

内部統制監査に関連する日本国内の資格

日本国内における関連資格としては、日本経営調査士協会によって認定されている「IPO・内部統制実務士」と「上級内部統制実務士」があります。IPO・内部統制実務士が、IPO(株式公開)と内部統制全般の知識や実務に関する資格なのに対して、上級内部統制実務士はさらに高度な内部統制に関する知識を有していることを認定する資格となります。

内部統制監査に関連する海外の資格

内部統制監査に関連する海外の資格では「CIA(公認内部監査人)」が挙げられます。CIAはアメリカの内部監査人協会(IIA)によって付与される内部監査人のための資格です。内部統制報告制度がスタートしてからは監査法人だけでなく、各企業の内部監査部門などからもこの資格への期待や需要が高まってきています。

まとめ

今回は内部統制監査と関連する資格、さらに内部監査との違いなどについてお伝えしました。

ご紹介した資格の取得については、ご自身のキャリアプランなどと合わせてよく検討してみてください。

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