「スマホの健康被害とは」という問いにたいして、多くの方が「目が悪くなる」と答えるでしょう。
しかし、悪影響はそれだけではありません。知らないうちに脳に甚大な被害を与え、業務に深刻な影響を与えることも考えられます。
スマホから発する光は、紫外線に近い性質を持った「ブルーライト」と呼ばれるものです。紫外線に近いということは、太陽の光に近いとも捉えられます。
つまり、ブルーライトを夜に長時間浴びるということは、体内のリズムを乱してしまう原因にもなるというわけです。特に寝る前は致命的。脳が一気に覚醒して、慢性的な睡眠不足を起こしてしまいます。
そのため、寝る30~60分前はスマホの使用を控えましょう。一流のビジネスパーソンなら、就寝前はゆっくりと本を読んで教養を深めるところです。
アメリカの研究によると、スマホを使い過ぎると文章の読みが浅くなるそうです。つまり、内容自体は把握できるが、その後に記憶したり考察したりなどができなくなるという状態です。
そのメカニズムは明らかになっていませんが、ビジネスパーソンが読んだ内容を覚えられなかったり、浅い考えしかできなくなったりするようでは問題です。
この解決法は紙媒体で読むことと、文字を書くこと。学生の頃「黒板の字を読むだけでは覚えられなかった」という方は多いはず。実際に手を動かしてこそ記憶が定着しますし、知識や経験を元にした深い考察ができるようになります。
スマホにはブラウザやSNS、ゲームなどさまざまな機能が搭載されています。これらを使うということは、つまり「マルチタスク」を行っているということです。
マルチタスクの効率が悪いということは、さまざまな研究で知られています。タスクをシフトする時にどうしても集中が途切れてしまうためです。
そして、脳は環境に順応してしまうもの。日常的にマルチタスクをしていると、次第にシングルタスクでも集中できなくなってしまいます。
明確な解決策はありません。そもそも「スマホを使うということ」自体が、スクロールや閲覧、着信の確認などさまざまな作業を並行して行っている状態だからです。
近年、スマホが原因の「新型うつ」が問題になっています。これは、悪い姿勢によって首の自律神経の働きに異常が出て、自律神経失調症を起こしてしまうことが原因だとされています。
スマホを使う時はどうしても下を向いてしまうもの。この点は改善しようがありませんから、使用時は適度に休憩を挟むようにしましょう。
スマホは脳にさまざまな悪影響を及ぼします。それも、自覚がないまま業務のパフォーマンスを著しく落とすようなものばかりです。
改善が難しいという点も厄介なところ。上記のような危険性を十分に理解して、上手に付き合っていくことが大切でしょう。