ビジネスパーソンの中には「MBAは不用」と考えている方がいます。
その理由は「実際に取得した人がいたが、まるで使えなかった」という体験によるものが多いようです。
しかし、それは彼らの学習や実践の方法が間違っているためでしょう。
MBAではとくにリーダーとしての決断力を鍛えることを目的としています。そのために、スクールではディスカッションやプレゼンテーションをおこないますが、これらは実際のビジネスとはまた違う環境です。
本当のスキルを身につけるためには、実践を積み重ねていく必要があります。あくまで授業はその足がかりとなるにすぎません。卒業しただけで満足しては肝心の技術は一向に身につかないでしょう。
授業では金融や会計、統計、マーケティングなどとても幅広い内容を学びます。
しかし、主目的は上記のような問題解決力であって、これらのハードスキルではありません。
そのことを理解していないと、「こんなに難しいことを知っている」と頭でっかちになってしまいがちです。実際には、それらの知識は一般的なスクールや書籍でも学べるものです。
スキルを養うために、授業ではさまざまなケーススタディを学びます。しかし、受講生の中にはこの事例を学ぶだけで本質的な部分を理解できないまま卒業してしまう方がいます。
近年はITの革新によって、ケーススタディにはない事例もたくさん出てきています。本質を掴めなかった方は、そのような環境で対処できず「使えない」というレッテルを貼られてしまったことでしょう。
不用と言われがちなMBAですが、それは教育への理解が不足しているにすぎません。ビジネスにおいて大切とされる問題解決力の育成に関しては、これほど高度な授業はないと言って良いでしょう。
また、副次的なものではあるものの、新たな人的ネットワークを築けるという点も見逃せません。
さまざまな業界の人間とつながりができることで、より俯瞰的な目線でビジネスを考えられるようになるはずです。
MBAスクールに通うときはその目的を確認する必要があります。問題解決力ではなく単なる知識の養成だと考えてしまうと、「高い金を払ったのに使えない奴」というレッテルを貼られてしまうかもしれません。