組織のマネジメントに有効な「成功循環モデル」とは?

成功循環モデルとは、マサチューセッツ工科大の教授、ダニエル・キム氏によって提唱された理論です。

組織が成功や成果のために重要視すべき事柄をモデル化したもので、マネジメントをする立場ならば必ず知っておきたい仕組みといえます。

「成功循環モデル」の仕組みとは

成功循環モデルは「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」の4要素から構成されています。
この4要素のうち「最初にどの点に着目するか」によって組織が成功していけるか否かが左右されると考えられるのです。

 

成功を阻害する「バッドサイクル」とは

成功循環モデルのうち、ビジネス上で重要視されがちなのは「結果の質」だという傾向があります。短絡的に「結果の質」を高めようとして、とにかく結果重視のマネジメントを行なうというケースは多いものです。

しかし、結果を重視した姿勢はメンバーにプレッシャーや負荷をかけることになり、「関係の質」の悪化につながります。
さらにそれは自発的な働きかけを阻害するような「思考の質」の低下へと連鎖し、積極的な行動を取れなくなるという「行動の質」の低下へとつながっていきます。

このバッドサイクルが続けば当然「結果の質」も悪くなるという悪循環が続きます。

「グッドサイクル」のモデルケース

バッドサイクルの悪循環を防ぐためにも、成功循環モデルのグッドサイクルを意識しましょう。shutterstock_148279343

グッドサイクルは互いを尊重してともに目標に向かうという「関係の質」の重視からスタートします。

「関係の質」を高めることで気付きや高い意識を持つことができる「思考の質」を向上させ、自発的な行動を促す「行動の質」につなげます。

これによって成果が出ることが「結果の質」の向上につながり、さらに結果が出ることによって「関係の質」も高まっていくのです。

良好な人間関係が組織の成果につながる

バッドサイクルの例とグッドサイクルの例を見てみると、始発点が違うだけで基本のサイクルは同じということに気付きます。結果を重視する短絡的な視点は空回りにつながってしまうのです。

「関係の質」を高めることは一見遠回りのように思われがちですが、結果的に良いサイクルを生むといえます。成功できない組織にはとかくメンバーの個性や仕事ぶりを否定し、人間関係を軽視する傾向があります。

しかし、それぞれの個性を尊重して目標を共有し、誰が欠けても組織は成り立たないという意識を持つことが、グッドサイクルの流れを生み出すというわけなのです。

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