消費税が10%になる前に考えておくべきこと。

2017年4月に計画されていた消費税8%から10%の増税が、2019年10月に延長されました。

国民としては、ある意味では「猶予ができた」という状態。多くの方が「あれを買ったほうが良い」「これは今のうちに」と考えています。

しかし、本当にそうするべきかは十分に考える必要があります。

高額商品は増税前に買ったほうが良いとされている

そもそも消費税とは、ものやサービスを消費した時に課税されるもの。ただし、生命保険料や住宅ローンなどの一部は例外とされています。注目されているのは、支払う額がその代金の8%から10%に引き上げられるということです。

「今のうちに買っておいたほうが良い」とされているものは主に高額商品です。たとえば、100円の商品を買ったところで消費税の差額はたったの2円ですが、100,000円の商品を買った場合は2,000円にもなります。

このことから、特に車や家、家電などを無理してでも買おうという動きが各所で見られます。

毎年新モデルが出る今日、早期買いは損でしかない

「増税される前に買おう」は間違いです。実際には、上記のように数千円の得をするどころか、反対に数万円もの損をしています。

たとえば、「増税前に新しいスマホを買おう」と考えたとします。機種によってまちまちですが、そこそこのスペックを持った新製品なら50,000円ぐらいで買えるでしょう。現時点の消費税は4,000円、増税後で5,000円ですから、一見1,000円得したように見えます。

しかし、実際には違います。2019年にもなると、現在の新型スマホなどとうの昔に型落ちの中古品になっているためです。その時の価格はすでに半額程度でしょう。また、同じぐらいの価格でさらにハイスペックな製品も買えます。

これは車や他の家電など、あらゆる業界で同じことです。今は次々と新しい製品が発売される時代です。無理をして買うことは大きな損にしかなりません。

日用品の買いだめにも意味はない

他に考えられるものが、「食品や日用品を買いだめしておこう」というものです。しかし、これもほとんど無駄でしかありません。たとえセールなどが開催されていたとしても同じことです。

たとえ10,000円を買い込んだとしても、得をするのはたったの200円だけ。しかも、万が一食品を腐らせてしまうことがあれば、その分だけマイナスになります。あくまでも小さなスケールですが、リターンよりもリスクのほうが圧倒的に上です。

そもそも、恒久的に変わる消費税にたいして、そのような目先のことしか考えていないのは問題です。

これでは「フルマラソンで最初の100mを全力でダッシュすれば有利になれる」と考えるようなもの。もっと全体を見通して「どのようなペースで行こうか」と考えるほうが現実的なはずです。

消費税の増税が延期されることで、多くの方がアクションを起こしています。しかし、実際にはそれほど気にする価値のないニュースです。

目先のことをあれこれと考えるよりも、「無駄な出費をしていないだろうか」などの長期的なマネー・マネジメントを意識しましょう。

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