てんぷら作文に学ぶロジカルな文章

最高の文章はセンスとロジカル、両方が揃ってこそ成り立ちます。一見「なんて直球な」と思えるキャッチコピーも、実は練りに練って作られていることがあります。

てんぷら作文はその典型でしょう。書いた本人が意図していたかは定かではありませんが、非常にセンスがあり、なおかつロジカルに構成されています。

高校生が書いた、Twitterで大絶賛となった「てんぷら作文」

「てんぷら作文」とは、ある高校生が書いた「てんぷら」という題名の作文のこと。深い考察などは一切なく、ただひたすら「てんぷらが食べたい」という内容が書き連ねられたものです。

しかし、ダイレクトな主張と五感を刺激する詳細な描写がウケて、コンクールで金賞を取っています。その文章はTwitterにアップされており、そこから多くの方の目に止まることになりました。

てんぷら作文が「凄い!」と言える3つの理由

一見するとただ「てんぷらが食べたい」という欲望のままに書き連ねた文章のようですが、実は以下のようにとてもよく練られていることが分かります。

構成が分かりやすい

「主張を先に書く」とは文章を書く上で大切なことですが、てんぷら作文はそのセオリーが守られています。

また、「てんぷらが食べたい」という主張からその詳細な描写に入り、次に自分の行動、そして最後にふたたび「てんぷらが食べたい」という結論に戻るという、起承転結が作られています。

このように、ダラダラと書いているように見えて、実はとても読みやすい、オーソドックスな構成です。

てんぷらならではの魅力が詳細に書かれている

「この掃除機はゴミが吸えます」と宣伝されて「買いたい」と思う方はいないはず。有名なキャッチコピーとなったダイソンの「吸引力が変わらない」など、「これだからこそ」という魅力をいかに表現するかが重要です。

てんぷら作文の凄いところは、その魅力がいかんなく、そして五感を交えてこと細やかに書かれていること。

てんぷらを揚げる「ジュクジュクジュク」という擬音や、さつまいもの美味しさを表す「甘さが口の中であばれだす」など、想像するだけでよだれが出るような表現が盛りだくさんです。

読者に行動と状況をイメージさせる

どれだけ製品が魅力的でそのことを全面にプッシュしても、実は購入者数はそれほど増えません。その宣伝や広告を見ている人が、「実際に自分が使っている様子」を想像できないためです。

「掃除機を使って家の中がすっきりピカピカになる」など、マーケティングにおいて行動と状況をイメージさせることはとても大切だとされています。

「てんぷら」作文では後半にその点が十分にケアされています。「学校を抜け出してて、てんぷら屋に駆け込む」「口の中が油っぽくなったら緑茶でリフレッシュさせて、また食べだす」など描写も詳細。多くの方が「同じことをしたい!」と思うでしょう。

てんぷら作文を書いた高校生がどれだけ練ったかは定かではありませんが、できあがった文章自体は間違いなく本物です。メール、交渉、広告などさまざまなビジネスシーンで使えるエッセンスが詰まっています。

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