最先端のインフルエンザの予防法とは?

寒くなったらかならずインフルエンザの予防をしましょう。万が一かかって1週間寝込むようなことがあったら、会社にとっても自分にとっても大きな損失です。

「帰ったら手を洗う」「栄養をしっかり摂る」「予防注射を受ける」などはどれも大切なことです。しかし、それ以外にも最近になって登場した最先端の予防法が確立されています。

鼻にスプレーするだけのインフルエンザ予防「フルミスト」

フルミストはイギリスのアストラゼネカ社が開発したワクチンです。この製品最大の特長は、鼻の中にスプレーを吹き掛けるだけで予防ができるということ。このことから、痛い注射が嫌いな子供などを中心に使われるようになりました。

鼻に2回ほどスプレーするだけで1年間持続するという手間のなさも大きなポイントです。アメリカではすでに販売・使用されており、日本でも2015年頃に第一三共がライセンス契約を結び、販売されることになりました。

効力や値段などまだ課題が多い予防法でもある

最新のインフルエンザ予防法として注目を集めているフルミストですが、まださまざまな課題が残っています。本当に受けるべきかは、以下の項目を確認してから慎重に検討したいところです。

値段が高い

フルミストは保険適用外となるため、自費で受ける必要があります。値段はだいたい10,000円ほど。通常の注射とくらべると高額です。

接種対象外になる人がいる

フルミストにかぎらず、インフルエンザの予防接種は実際にウイルスを感染させ、身体に免疫力を付けさせるという方法を取っています。そのため、少量のウイルスでも発症してしまうような方は受けられません。

フルミストの利用は、対象年齢が2~49歳、糖尿病の方は受けられないなど厳格なルールが設けられています。

副作用がある

人によっては副作用が起きることがあります。もっとも多いのは鼻水や鼻づまりなどの風邪に似た症状。他にも、頭痛や倦怠感、喘鳴などが挙げられます。

人気のため予約はほぼ必須

特に注射を嫌う子供を中心に、フルミストはかなりの人気があります。そのため、どこの病院でも予約をしていなければ受けられない可能性があります。認可前で医師が個人輸入していた時は、「先着30名」など人数にかぎりがあったことも。

効果は注射と同じではない

かならずしもフルミストがインフルエンザ予防に効果的とはかぎらないようです。2015年には注射よりも効果が弱かったことから、米国疾病予防管理センターから「2016~2017年の接種はおすすめしない」というアナウンスがありました。

これは単に効力が弱いというわけではなく、A型やB型などインフルエンザウイルスの種類によっても変わることが考えられます。その年の流行によっても、有用性は変わるでしょう。

注射針を使わず痛みなく行えるフルミストは、今後のインフルエンザ予防の主流となるでしょう。しかし、現段階ではまだ課題がたくさん。今後の動向に注目です。

今のところはまだ従来の方法のほうが安心できるでしょう。業務に支障をきたさないよう、しっかりと予防接種を受けた上で、良質な生活習慣を維持していきましょう。

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