米国税理士は、日本国内においてはまだ知名度が高いといえる資格ではありません。
しかし、けっしてメリットがないというわけではなく、勉強する価値は十分にあります。
概要
米国税理士を取る意義は、アメリカでは仕事が多いということと、試験が簡単という2つが大きいでしょう。
これらを中心にさらに細かくブレイクダウンしてみると、次のような6つのメリットが挙げられます。
米国税理士の勉強では英語が必須となります。また、業務中は書類を読むだけでなく顧客と直接会話することも多いため、実務経験を積めばライティングとリーディング、スピーキング、リスニングのすべてを網羅できるでしょう。
そのため、資格を持っていて実務経験もあるとなれば、相応の語学力を持っていることの証明になります。これは税務業務を行わなくても、昇進や転職などで非常に有利になる武器になります。
日本において米国税理士の需要が多いとはいえませんが、アメリカにおいてはかなりのものです。国内でサラリーマンをやっていれば「確定申告をしたことがない」という方もいるはず。しかし、アメリカではほぼすべての方が経験済みです。
それは、あちらでは企業が源泉徴収せず、個人で所得を申請する必要があるから。そして、そのために米国税理士はかなりの需要があります。法人だけでなく、個人からも仕事がたくさん来るでしょう。
米国税理士の試験は合格率が60%~80%とかなり高め。内容はほぼすべてが選択問題で、だいたい半年から1年ほど勉強すれば取れると言われているほど易しめです。
日本の税理士試験に挫折してしまった方でも、こちらなら合格が見込めるでしょう。他にも、「これから受験しようと思っている」という方のウォーミングアップとしても価値があります。
アメリカにはU.S.CPAというハイレベルな試験があります。これは学位や単位などに厳しい条件が必要で、誰でもすぐに取れるというものではありません。
一方で、税理士にはそのような条件が一切ありません。受験費用さえあれば、どのような経歴の方でも簡単に受けられます。
どこの州にいても、同じ資格でOKです。
U.S.CPAはただ試験をパスしただけではライセンスを取得できず、数年間の実務経験を積む必要があります。一方で、税理士は試験合格後に登録手続きをするだけで、簡単に発行してもらえます。
米国税理士には、アメリカにおける高い需要と、取得が簡単というメリットがあります。この2つを享受できる方なら、受験してみる価値があるでしょう。
国内においては、より難しい試験でもある、米国公認会計士に向けてのステップとして。もしくは、米国公認会計士取得者の+αのステップアップとして活用することも可能でしょう。